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空き家を放置するリスクと解決策|札幌市の空き家売却・活用方法を専門家が解説

空き家を放置するリスクと解決策|札幌市の空き家売却・活用方法を専門家が解説
「親から相続した実家が空き家になっている」「転勤で持ち家が空き家状態に」。札幌市内でも、空き家問題は年々深刻化しています。総務省の調査によると、北海道の空き家率は全国平均を上回り、札幌市でも多くの空き家が存在しています。
空き家を放置すると、経済的損失だけでなく、法的リスクや近隣トラブルにも発展しかねません。本記事では、札幌市で空き家を所有している方に向けて、放置のリスクと具体的な解決策、売却方法や活用方法まで、専門家の視点から徹底解説します。
札幌市の空き家の現状と増加の背景
札幌市では、人口減少や高齢化、相続による遠方在住者の所有増加などにより、空き家が増え続けています。特に郊外エリアや築年数が古い住宅地で顕著です。
空き家が増加する主な理由は以下の通りです。
相続による所有 親が亡くなり実家を相続したものの、すでに自分の家があるため空き家になるケースが最も多くなっています。札幌市外や道外に住んでいる相続人にとって、管理が難しい状況です。
施設入居や転居 高齢者が介護施設に入居したり、子どもの家に同居したりして、元の自宅が空き家になるケースも増えています。
売却や賃貸の困難さ 築年数が古い、立地が不便、修繕が必要など、売却や賃貸が難しい物件が空き家として残ってしまいます。
判断の先延ばし 「いつか住むかもしれない」「思い出の家だから」と、処分を先延ばしにしているうちに、どんどん劣化が進むケースも少なくありません。
空き家を放置する7つの深刻なリスク
空き家を放置すると、様々なリスクが発生します。札幌市の気候特性も考慮した、具体的なリスクを見ていきましょう。
1. 経済的損失:維持費の継続的な負担
空き家でも、所有している限り以下の費用が発生し続けます。
固定資産税・都市計画税 札幌市内の戸建てで年間10〜30万円程度、マンションなら5〜15万円程度の税金がかかります。誰も住んでいなくても、所有者である限り納税義務は消えません。
光熱費・通信費 完全に解約していない場合、基本料金が発生し続けます。冬季の凍結防止のため、最低限の暖房を入れる必要がある場合もあります。
火災保険料 空き家でも火災や自然災害のリスクがあるため、保険継続が推奨されます。年間数万円の負担となります。
管理費用 遠方に住んでいる場合、定期的な見回りや除雪、庭の手入れを業者に依頼すると、月1〜3万円程度の費用がかかります。
これらを合計すると、札幌市内の空き家を維持するだけで年間20〜50万円以上の負担が発生します。10年放置すれば、200〜500万円もの損失になります。
2. 建物の急速な劣化
人が住まない家は驚くほど早く劣化します。特に札幌市の厳しい気候条件下では、その速度は加速します。
冬季の凍結被害 暖房を入れない空き家では、配管の凍結・破裂が発生しやすくなります。春になって水道を開けたら水浸しになっていた、というケースも珍しくありません。
湿気による腐食・カビ 換気がされない空き家は湿気がこもり、木材の腐食やカビの発生が進みます。畳や壁紙はもちろん、構造部分まで傷む可能性があります。
積雪による損傷 札幌市の冬季は積雪量が多く、屋根や雨樋への負担が大きくなります。除雪をしないと、雨樋の破損や屋根の歪みが発生することもあります。
害獣・害虫の侵入 空き家は、ネズミやハクビシン、スズメバチなどの格好の住処になります。一度住み着かれると、駆除に高額な費用がかかります。
これらの劣化により、本来なら1,000万円で売却できた物件が、数年後には500万円、あるいは解体費用がかかるため価値がマイナスになることもあります。
3. 資産価値の大幅な低下
空き家を放置している間も、建物の価値は下がり続けます。札幌市内でも、築年数の経過とともに評価額は減少していきます。
木造住宅の場合、築20年を超えると建物価値はほぼゼロになり、築30年以上では解体費用を差し引いた価格になることも珍しくありません。
「いつか売ろう」と先延ばしにしている間に、数百万円単位で価値が失われていきます。
4. 特定空家の指定リスクと行政代執行
平成27年に施行された「空家等対策特別措置法」により、放置された空き家は「特定空家」に指定される可能性があります。
特定空家に指定されると、以下のリスクが発生します。
固定資産税の優遇措置が解除される 住宅用地の固定資産税は通常、1/6に軽減されていますが、特定空家に指定されると、この優遇が外され、税額が最大6倍になります。
行政からの指導・命令 札幌市から改善の指導や命令が出され、従わない場合は50万円以下の過料が科されます。
行政代執行のリスク 最悪の場合、札幌市が強制的に建物を解体し、その費用を所有者に請求する「行政代執行」が行われます。解体費用は100〜300万円以上になることもあります。
5. 近隣トラブルと損害賠償責任
空き家が原因で近隣に迷惑をかけると、所有者としての責任を問われます。
庭木の越境や雑草の繁茂 手入れされない庭木が隣家に越境したり、雑草が生い茂って害虫の発生源になったりすると、苦情につながります。
雪害による被害 札幌市の冬季、空き家の屋根から雪が落下して隣家の車や建物を損傷させると、損害賠償責任を負う可能性があります。
外壁や屋根材の落下 老朽化した外壁材や屋根材が剥がれ落ち、通行人や近隣住民に被害を与えた場合、民法717条に基づく損害賠償責任を問われます。
実際に、空き家から落下した外壁で通行人が怪我をし、所有者が数百万円の賠償を命じられた事例もあります。
6. 犯罪の温床になるリスク
管理されていない空き家は、不審者の侵入や犯罪の温床になる危険性があります。
不法侵入・不法占拠 ホームレスや家出人が無断で住み着くケースがあります。一度占拠されると、追い出すのに時間と費用がかかります。
放火のリスク 空き家は放火犯の標的になりやすく、火災が発生すると近隣にも被害が及びます。
違法薬物の取引場所 人目につきにくい空き家が、違法薬物の取引や使用の場所として利用されることもあります。
これらの犯罪に巻き込まれると、所有者としての管理責任を問われる可能性があります。
7. 相続時の負の資産になる
空き家をそのまま相続させると、子どもや孫に負の資産を引き継がせることになります。
相続人は空き家の維持費や管理責任を引き継ぐことになり、処分したくても簡単にはできません。相続放棄をしても、次の相続人が決まるまで管理義務は継続します。
家族に迷惑をかけないためにも、生前に空き家問題を解決しておくことが重要です。
札幌市の空き家解決策:5つの選択肢
空き家問題を解決するには、早めの行動が重要です。札幌市で実践できる具体的な解決策を5つご紹介します。
1. 売却:最もスタンダードな解決策
空き家を売却して現金化するのが、最も確実な解決方法です。
仲介での売却 札幌市内で需要が見込める立地や状態の良い物件なら、仲介での売却を目指しましょう。相場に近い価格で売却できる可能性があります。
買取での売却 築年数が古い、修繕が必要、立地が不便など、仲介での売却が難しい物件は、不動産会社による買取を検討しましょう。価格は市場相場の70〜80%程度になりますが、確実かつ迅速に売却できます。
古家付き土地として売却 建物の価値がほとんどない場合、「古家付き土地」として売却する方法もあります。買主が解体して新築する前提での販売です。
解体して更地で売却 建物の状態が悪く、マイナス要因になる場合は、解体して更地にしてから売却する方法もあります。ただし、解体費用(札幌市内で100〜300万円程度)がかかるため、費用対効果を検討しましょう。
売却のメリットは、維持費から解放され、まとまった現金が手に入ることです。相続前に売却しておけば、相続税の納税資金にもなります。
2. 賃貸:収益物件として活用
立地や建物の状態が良ければ、賃貸物件として活用する方法もあります。
一般賃貸 札幌市内で需要が見込める地域なら、一般的な賃貸住宅として貸し出せます。月々の家賃収入を得ながら、資産を保有し続けられます。
シェアハウス 大学や専門学校が近い地域なら、学生向けシェアハウスとして活用する方法もあります。
民泊・ゲストハウス 観光地に近い立地なら、民泊やゲストハウスとして運営する選択肢もあります。ただし、許可取得や管理の手間がかかります。
賃貸活用のメリットは、資産を保有しながら収入を得られることです。ただし、初期投資(リフォーム費用)や管理の手間、空室リスクなどのデメリットもあります。
3. リフォーム・リノベーション後に売却
修繕やリフォームを行うことで、売却価格を上げられる可能性があります。
札幌市内でも、築古物件をリノベーションして付加価値を高め、相場以上で売却した事例は数多くあります。特に立地が良く、骨格がしっかりしている物件なら、投資効果が期待できます。
ただし、リフォーム費用が売却価格の上昇分を上回らないよう、費用対効果を慎重に検討する必要があります。
4. 空き家バンクへの登録
札幌市や北海道の一部自治体では、空き家バンク制度を運営しています。
空き家バンクとは、空き家の売却・賃貸を希望する所有者と、利用を希望する人をマッチングする公的サービスです。登録は無料で、自治体のホームページなどで情報が公開されます。
特に郊外エリアや、通常の不動産市場では買い手が見つかりにくい物件に有効です。移住希望者や、DIYで再生したい人などが閲覧しています。
5. 解体・駐車場や資材置き場として活用
建物の状態が悪く、売却も賃貸も難しい場合は、解体して土地活用する方法があります。
駐車場経営 札幌市内の住宅密集地や商業地近くなら、月極駐車場やコインパーキングとして活用できます。
資材置き場・トランクルーム 事業者向けに資材置き場として貸し出したり、トランクルームとして活用したりする方法もあります。
太陽光発電 日当たりの良い土地なら、太陽光発電設備を設置して売電収入を得る選択肢もあります。
ただし、更地にすると住宅用地の税制優遇が外れ、固定資産税が上がる点に注意が必要です。
空き家売却を成功させる5つのポイント
札幌市で空き家を売却する際、以下のポイントを押さえることで、より良い条件での売却が可能になります。
1. 早めの行動が重要
空き家は時間が経つほど劣化し、価値が下がります。「いつか売ろう」と先延ばしにせず、できるだけ早く行動を起こしましょう。
特に札幌市の空き家は、冬を越すたびに劣化が進みます。春から夏にかけての売却を検討することをお勧めします。
2. 複数の不動産会社に査定を依頼
空き家の査定額は、不動産会社によって大きく異なります。最低でも3社以上から査定を取り、比較検討しましょう。
札幌市内の地域事情に詳しい地元業者と、全国展開している大手業者の両方に相談することで、より正確な相場観が得られます。
3. 現状把握と必要最低限の修繕
売却前に、建物の状態を正確に把握しましょう。専門家による建物診断(インスペクション)を受けることで、隠れた問題点が明らかになります。
修繕については、費用対効果を考えて判断します。大規模なリフォームは不要ですが、清掃や簡易的な修繕で印象が大きく改善する場合は、実施を検討しましょう。
4. 相続登記の確認
親から相続した空き家の場合、相続登記が完了しているか確認しましょう。未登記のままでは売却できません。
令和6年4月から相続登記が義務化され、違反すると過料が科される可能性があります。早めに手続きを済ませましょう。
5. 税制優遇措置の活用
空き家を売却する際、一定の条件を満たせば税制優遇が受けられる場合があります。
空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除 相続した空き家を売却する際、一定の要件を満たせば、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。札幌市内の空き家でも適用可能です。
適用要件は複雑なため、税理士や不動産会社に相談して、活用できるか確認しましょう。
まとめ:空き家問題は先延ばしにせず、今すぐ行動を
札幌市の空き家を放置すると、経済的損失、建物の劣化、特定空家指定のリスク、近隣トラブル、犯罪の温床化など、深刻な問題につながります。
解決策としては、売却、賃貸、リフォーム後の売却、空き家バンクへの登録、解体後の土地活用など、複数の選択肢があります。物件の状態や立地、所有者の状況に応じて、最適な方法を選びましょう。
重要なのは、早めに行動することです。時間が経つほど選択肢は狭まり、損失は拡大します。「いつか」ではなく「今」、空き家問題に向き合うことが、あなたと家族の未来を守ることにつながります。
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この記事の監修者
[監修者名] ハウスドゥ 札幌栄町 店長 谷橋 力良
保有資格: 宅地建物取引士
専門分野: 札幌市内の不動産売買仲介、相続不動産、投資用不動産
経歴: IT業界、飲食業界、WEB広告業界を経て、東京にて不動産売買仲介業をスタート。札幌の不動産業界では5年以上の実績。年間50件以上の売買仲介を手がけ、特に札幌市内の相続不動産や離婚に伴う不動産売却において豊富な経験を持つ。
モットー: 「お客様一人ひとりの状況に寄り添い、最適な解決策をご提案いたします」
札幌市の地域特性を熟知し、季節や市場動向を踏まえた適切なアドバイスで、多くのお客様の不動産売却を成功に導いています。相続、離婚、住み替えなど、様々なケースに対応した豊富な実務経験を基に、この記事を監修いたしました。